経産省は5年前に国力の低下を認識していた。

経済産業省は5年も前に今日の課題について認識していました。この5年もの間担当官庁は何をしていたんでしょう。
自助のように民間の事は民間に任せるのであれば経産省は必要が無いのでは..

経済産業省のものづくり白書(2015年度版)に製造業の課題と今後の展望について述べられています。本文はとても長いので少しずつ要約して紹介します。
経済産業省も諸外国の製造業がITで大きく変革を遂げている事にくらべて、わが国の製造業が大きく遅れていることに危機感を抱いています。経済産業省ならではのするどい分析ですが本質を見抜いていない事もあります。
わが国はビックデータを活用する前に、デジタル更新国でありビックデータが存在していないレベルであるという事を。

(1)序論

近年、IoT(Internet of Things)やビッグデータといった言葉が注目を集めることに代表されるように、製造業は情報技術の発達に伴って大きく変容しつつある。例えば2014年版ものづくり白書で述べられているような、3Dプリンタを活用したデジタルものづくりの出現によって「ユーザーとメイカーが同一化する時代の到来」はその1つといえる。
また、センサー技術やコンピューティング能力の発達により、あらゆるものにセンサーを張り巡らせて膨大な量のデータを取得し、それをリアルタイムで解析することが可能となりつつある。データを収集し、解析・処理するサイクルによって付加価値が次々に生み出され、あらゆる分野で競争領域が変化している。
同時に産業の垣根を越えた新サービスが次々と広がるといったように、製造業はデジタル化の波の到来とともに大きな転機を迎えているのである。このような製造業のデジタル化によるものづくりのあり方やビジネスモデルがどのように変化しているのかを明らかにしつつ、我が国製造業の現状と今後の方向性について述べる。

(2)製造業におけるIT利活用の現状

我が国製造業におけるIT・データの利活用は、諸外国に比べて決して進んでいるとは言えない。例えば、ビジネスにおけるビッグデータの活用状況を日米で比較したアンケート調査によれば、米国企業は90%以上がビッグデータを「利用している」と回答した一方、日本企業は70%以上が「聞いたことがない、よく知らない」「検討したが、利用していない」と回答している。また、イノベーションにデータを活用している企業の割合は、我が国では20%程度に止まるが、これは世界の主要国の水準と比べて非常に低い。

また、IT予算を増額する企業における増額予算の用途を日米で比較すると、我が国では業務効率化やコスト削減といった「守りのIT投資」が多数を占めるのに対し、米国では製品やサービスの開発強化といった「攻めのIT投資」が多いという調査も存在する(図131-4)。また、そもそも我が国のIT技術者は100万人程度であり、これは米国の3分の1、中国と比べても2分の1の水準に止まる上(図131-5)、我が国ではその多くがIT企業に在籍し、多くがITのユーザー側企業に在籍する米国とは対照的である(図131-6)こともその要因と考えられる。

IT・データの利活用がビジネスにおいて特に重視される理由は、それらが企業収益にもたらすインパクトである。企業収益のうち、データ活用による収益効果のみを切り出して定量的に示すことは困難であるが、一方で競合他社と比較してデータ活用を積極的に行う企業に好業績の企業が少なくないことも確かである(図131-7、図131-8、図131-9)。

ビジネスアナリティクスの専門家である米バブソン大学のトーマス・ダベンポート教授は、企業のデータ活用の状況について、そのレベルに応じて以下のような5段階のモデルを提唱している(図131-10)。

ステージ1:分析力に劣る企業

データ分析をほぼしていない。データ整理や正確なデータ収集が課題。

ステージ2:分析力の活用が限定的な企業

部分的もしくは場当たり的にデータ分析を行っている。分析力を高めつつ、分析対象のデータを増やすことで業績への貢献を明らかにすることが課題。

ステージ3:分析力の組織的な強化に取り組む企業

データ分析に組織的に取り組み、集中的なデータ収集や分析を行っている。データ分析により強みのある事業を強化することが課題。

ステージ4:分析力はあるが決定打に至らない企業

全社的にデータ分析を行い、活用している。データ分析により新事業の創出やライバルとの差異化を行うことが課題。

ステージ5:分析力を武器とする企業

全社でデータ分析が徹底され、成果や競争力の強化に結びついている。将来の予測によって、業界の先頭を走り続けることが課題。