生産管理の導入手順

 

失敗しない生産管理の導入手順

 

我社もデジタル化の流れに乗って生産管理システムを導入しよう!
そう決めた時、何から始めますか?

 

書店に行くと、生産管理の内容を説明した書籍は多くありますが導入手順を説明したものはありません。
また、システム販売業者も操作方法の説明をしますが導入手順や移行方法の説明をあまりしません。
だから導入を決定した社長や作業を行う担当者は不安で一杯になります。

どの生産管理システムでも導入稼動は大きく次の4つのステップに分かれます。
挫けずに一つ一つクリアする事で導入稼動まで確実に進む事ができます。

市販の生産管理システムは大きく分かれて、個別受注生産型か見込生産型、そしてERP型に分かれます。
御社の業務及び運用レベルとシステムはあってますか?
合致していない場合は運用でカバーする必要があります。

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導入~稼動までの流れ

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まず初めに、スタートアップコンサルティングを実施します。
自社の業務の流れを整理して運用の流れの大枠を決めます。
代表的な品番を選び受注から納品までの操作を行います。

この基本を固めないとマスタ作成で苦労します。
社長自ら全社員に導入の説明を行って下さい。

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各マスタを登録します。とても大変な作業ですので協力が必要です。
ここで挫折する工場が沢山ありました。諦めずに頑張りましょう!

製品マスタは、部品内容(品番、得意先、受注金額、部品特性等)を登録します。
生産マスタは、作業内容、(工程、金額、設備、サイクルタイム等)を登録します。
部品表(BOM)は、材料や各部品の繋がりを登録します。

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運用の流れに合わせて操作練習を行います。

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これも大変な作業です。全社員の協力が必要です。
日常業務を行いながら並行して新システムを入力します。
残情報の全てを入力し現行と同じ状態にするのが理想ですが、
新規受注分から特定客先に絞るとか色々な方法があります。

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Step1 運用の確認

 

1.導入目的と運用方法を明確にします。

受注から納品までの業務の流れを図式で表します。
自社工場の作業概要を整理と再確認しましょう。

個別受注生産なのか見込み生産なのか。MRPが必要なのか不用なのか。在庫管理は製品在庫か仕掛在庫か。

2.代表する品番を複数入力します。

主要顧客とか主力製品、複雑な製品などから選びます。

3.受注から納品まで業務の流れに則して試行します。

作業指示の方法など、現在の業務と新システムとではギャップがあります。どのような方法でこのギャップを埋めるか、この運用方法を固める事が大事です。
それには多数の社員と議論と理解が必要です。

4.運用の考えがまとまったらマスタを作成します。

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Step2 マスタ作成

 

生産管理を初めて導入する工場ではマスタ作成に必要なデジタル情報がありません、一から登録する必要があります。
工場を存続していくには必要なデジタル情報ですので、頑張って登録しましょう。どのような生産管理システムでも、製品の情報を登録する製品マスタと生産の情報を入力する生産マスタそして製品マスタを結合した部品表を骨格として構成されます。

マスタ作成の注意点

*工場の規模にもよりますが数千から数万件の登録になります。
*作業工程やリードタイム、サイクルタイムなど生産現場でないと解らない情報があります。
*工程マスタのリードタイムは、生産が1個でも100個でも同じですので標準値を登録します。

生産管理システムは完成納期から工程リードタイムを逆算して工程納期を算出します。
実際の作業現場では、初工程から押し上げ式で臨機応変に作業日を決めています。
まず、この違いを理解して下さい。
そして、現場の希望通りには作業指示を出せない事も理解してください。
生産マスタは標準化した工程、リードタイム、サイクルタイムを登録します。


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Step3 操作練習

マスタの登録が完了したら、各自のパソコンに生産管理システムをインストールして、運用の手順書に従って操作練習を行います。
前月の受注~作業~納品など実際のデータを使い新しい運用方法で練習します。
現業務に追加作業となりますが協力し合えって進めましょう。

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Step4 新システムへ移行

最後の山場です。移行には次の4つの方法があります。
業務状況や作業期間そして移行体制を考えて新システムへの移行方法を決定します。

①パラレルストラテジー

並行稼動とも言います。現業務を行いながら、並行して新システムを最低1ヶ月分稼動します。
現業務と新システムの数値が一致したら現業務を中止します。
最も安全な方法ですが、移行に要する人員や時間そして費用が必要になります。

②ダイレクトカットストラテジー

特定の日を決めて新システムへ切り替えてしまう方法です。
人員や時間などの費用はかかりませんが、事前に残情報を入力して現業務と同じ状態にしておく必要があります。
操作方法や運用方法の練習を充分にしないと移行してから大混乱を起こします。

③パイロットスタディストラテジー

特定の得意先とか特定の部品グループなど範囲を限定して新システムに移行する方法です。
これがスムーズに試行できれば、順次他の範囲の移行を行います。
人員や移行作業は少なくなりますが、移行時間がかかります。

④フェーズドアプローチストラテジー

機能単位で段階を設けて新システムに移行する方法です。
個別受注生産から初めてスムーズに移行できたら、見込み生産(生産計画)のシステム移行を行います。
得意先を限定できない場合にこの移行方法をとります。