生産性の向上

デジタル化で生産性を上げる

 

低迷した景気を回復するには金融緩和だけでは不可能だと考えます。従業員の賃金を上げて購買力を上げる事ではないでしょうか。その為には日本の企業の殆どを占めている中小企業の付加価値と生産性の増加が必要です。生産性を向上する為に工場のデジタル化が必須となっています。

  付加価値 = 売上高 -社外費 = 粗利

また、働き方改革や通信社会に対応する為にも工場のデジタル化は必要不可欠なものになっています。

 

働く人 日本人 工場 イラスト素材 - iStock

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なぜ、工場のデジタル化が必要か。

 

最低賃金のアップなど賃金増加が景気回復に効果があると考えられています。生産性の向上と賃金増加そして景気回復に繋がるプロセスを考えました。

 

景気回復のプロセス

景気が回復する
.     ↑
物を買うのでデフレからインフレへ展開
.        ↑
国民の購買力のアップする
.     ↑
労働者の賃金がアップする    賃 金 = 付加価値(粗利) × 分配率
.     ↑
企業の生産性が向上する       生産性 = 付加価値(粗利)   ÷ 社員数
.     ↑
企業の付加価値(粗利)の増加

 

付加価値の低さが課題

中小企業の付加価値の低さが根本原因となっていると考えられます。粗利額を上げるには次の方法があります。

①受注総額の増加
②受注額を維持して社外費の減少
③単価を上げる

これらを実現する為に企業のデジタル化が必要です。

 


 

デジタル化で生産性を上げる

 

どのような業種でも生産性を上げる事は企業存続のただ一つの道とも言われます。生産性を上げるには「受注単価の増加」及び「経費の削減」を行います。

受注単価の増加
一つの部品を絞り込んで過去の生産実績の分析が出来ますか。
作業実績から作業に要した日数を把握します。ボトルネックはどの工程か、どのように工程計画を立てれば良いかを考えます。

経費の削減
部品原価の中で材料費が半値近くを占めていると言われています。
欠品を心配するあまり、早め多めに発注手配していませんか。
製品や材料在庫と比較して仕掛在庫金額は計算が面倒ですので、なかなか表面に出てきません。期末だけではなく日常的に把握するのが大切です。

生産性を上げる工夫

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1.生産の3要素の分析

資源の3要素である原材料設備生産の生産性を分析します。
どのような業種でも生産性を上げる事は企業存続のただ一つの道とも言われます。製造業の生産性とは、生産活動によって生み出された付加価値の事です。

例えば、材料を1000円で仕入れ加工して1500円で販売したら付加価値は500円になります。

生産性を上げる為に、資源の投入に対して生み出された付加価値の額を分析します。分析は生産の3要素である、原材料設備生産の資源を対照とします。

  付加価値 = 売上―外部購入価値
  付加価値 = 営業利益+労務費+減価償却+金利+税

1)原材料の生産性  

原材料1kg当たりどれくらい製品が完成したかを表します。
一般的に材料費は製造原価の中で半値近くを占めていると言われています。
材料在庫が過剰だと収益を圧迫し、過小だと生産計画が混乱したり納期遅延になります。
また、不良品や無駄な仕掛品が多いと生産性が低くなります。
そこで消費速度と納入速度が適正にあるようにコントロールします。

  原材料の生産性=完成品の生産高 ÷ 原材料仕入高

2)設備生産性

機械1時間あたり、どれくらいの製品が出来たかを表します。
設備性能に依存する事が多いですが、設備生産計画や段取りの効率化などで生産性は上がります。

  生産高 ÷ 機械稼動時間

3)労働生産性

従業員1時間当たりの生産金額や従業員1人当たりの製品高などを表します。
また、工程、工別に労働生産性を算出します。
工程チャージや見積もりは合ってますか。工員の生産性を把握して正しい評価が出来ていますか。 

  生産性 = 不可価値(売上-社外費) ÷ 社員数
  人件費 = 生産性 × 労働分配率
  労働生産性 = 生産高 ÷ 作業時間 (従業員の1時間当たりの成果)

in-FactoryV2では労働生産性を予定生産高÷実作業時間で算出しています。

  労働生産性 = 予定生産高 ÷ 作業時間 (従業員の1時間当たりの成果)

例えば、工程チヤージを5000円で 作業予定時間が2時間の場合は予定生産高は10000円です。

実作業時間が1時間30分であった場合の労働生産性は6666円になります。工程チャージ(1時間あたりの生産予定金額)と労働生産性(1時間当たりの成果)を比較してAさんの労働生産性は標準より高い事になります。

このように1部品1工程1工員の生産性を分析して協議する事で、全体の生産性を高める事が可能になります。

 


2.生産計画と業務の標準化

生産計画を立てる順序は、基準生産計画から工程別日程生産計画そして資材購買計画へと続きます。計画生産で作業の効率を上げて労働生産性を上げます。また購買計画で無駄な材料の圧縮を行う事で資材生産性を上げます。

1)基準生産計画 

受注または内示のから、完成品の計画(月単位の生産量)を決めます。ここでMRPを実行して作業・発注データの納期を計算します。
また、生産管理システムは納期(いつまでに完了するか)を基準として動作します。

2)工程別日程計画

基準生産計画では生産能力を意識しないで計算しますので、山崩しや作業の効率を考えた日程計画が必要となります。
生産管理システムでこの日程計画を作成するには高等な管理技術と管理工数を要します。
MRPで作成した作業データを、EXCEL等の外部ソフトで編集する方法があります。

3)資材購買計画

材料消費を予測して適正在庫を保つように発注計画を立てます。
基準生産計画で計算した材料有効在(消費日と数量)がマイナスにならないようにします。
また、基準生産計画と日程計画の誤差を考慮した歩留まりをこれに加えます。

 


3.手番・リードタイムの把握

手番、基準日程、リードタイムを正確に把握する事は、デジタル化や生産性を上げる為に必要なデータです。つまり、生産計画を立案する場合や追加作業が可能かの判断のベースとなります。以前は熟練者達が把握していましたが、今日では正確に把握できていない事が多くなっています。

把握の方法は過去の作業実績を一つ一つ集計して分析する事です。
・品番毎にその製品が完成するまでに何日かかったか(手番)
・工程単位にかかった作業時間(リードタイム)
これらを最大日数、最短日数、標準的な日数を計算します。

標準的な作業数量(ロット)で工程単位にかかった作業時間(基準日程)も計算します。また、感覚で理解していたものをデジタル化する事で、より正確な管理と対策がとれます。

例)in-FactoryV2の作業実績一覧表では、生産日と作業時間が集計されます。これらをCSVに落とし、Excel、access、BIツールなどで集計分析する事で、手番やリードタイムの把握が出来ます。

 


4.材料手配数の無駄を無くす事で原材料費の圧縮

材料費は原価費の半分近くを占めていると言われており収益に大きく影響します。無駄な在庫があれば工場の生産性を悪くします。
そこで材料の適正発注数を計算して材料在庫の圧縮を行い生産性を上げます。

材料の適正在庫と適正発注数の計算

材料の消費スピードと発注リードタイムが大きく影響します。
生産計画からMRPを実行して材料の消費予定数と消費予定日を計算します。これで材料在庫の消費予測が出来ます。
材料在庫が安全在庫を下回らないようにリードタイムに合わせて発注します。

材料発注

いつまでに(発注納期)、いくら(発注金額)、どれくらい(発注数)が発注のポイントです。

・発注納期は過去の発注リードタイムから計算し材料消費日にあわせて計算します。
・発注数は材料消費数と適正材料在庫数そして歩留まりと発注ロット数を加味して計算します。
・発注金額は過去の実績をエビデンスとして交渉します。

 

例)in-FactoryV2では、材料の有効在庫一覧表で消費予定数と消費予定数そして有効在庫を表示します。

 


5.仕掛在庫、製品在庫、材料在庫の把握

「いつでも製品・仕掛・資材の在庫数や在庫金額がわかるようにする」とても大事なデータですが、一般的に在庫数量や在庫金額は期末か良くても月末ぐらいしか把握されません。それは、日本の殆どの工場は棚卸を実施しないと在庫数が集計できないからです。

生産管理システムを正しく運用するとリアルタイムな在庫数量と在庫金額を把握する事ができます。
無駄な在庫を把握する事が在庫圧縮に繋がり生産性を上げます。

在庫金額

在庫を数量ではなく評価金額で把握する事は、従業員に現状認識を示す事になります。
工場内にどれくらいの材料と仕掛品そして製品が蓄積されているか、それは適正在庫なのかを分析します。

仕掛在庫の評価  

材料投入金額+加工金額が仕掛在庫金額になります。
工程が進むごとに材料費、部品費、加工費が追加されます。仕掛品はこの金額を加算して在庫評価とします。

例)in-FactoryV2では、在庫一覧表で製品、仕掛品、材料在庫の数量と評価金額をリアルタイムに表示します。